R15推奨

廃棄処分にして下さい。

 私は、欠陥品だった。  欠陥品というと聞こえは悪いが、ある一定の水準までは達しているが、まだ改善の余地ありと判断されるレベルのものだ。  私は、人との触れ合いが激減し、その感覚や感情を認識させることを目的として造られた…

はちみつの時間―甘い言葉を囁かれて―

 学校も休みである日曜日、有羽は晟の部屋へと遊びに来ていた。と言っても、お互いにやらなければいけない課題を黙々と進めていたのだが。  自分の分は終わったと背伸びをする有羽は、ノートを見て難しい顔をしている晟に後ろから抱き…

ヒナ・マツリ

「ねえ、彩先輩。先輩の家はお雛様とか出すの?」  海白彩は樫倉晟の誘いを受けて、彼の部屋へ遊びに来ていた。  クッションの上に座っている彼女の隣りに腰を下ろした晟はそう質問すると、彩は微笑んで「もちろん」と答えた。 「じ…

はちみつの時間―寝起きの本音―

「ねえ、遼(りょう)。ひざまくらしてあげる。こっちきて」  自室のベッドの上に座り、有羽(ゆば)はそう言って手招きをした。  年頃の男子としてはおいしいのか困ってしまうのか微妙なシチュエーションだが、せっかくの有羽の誘い…

3月14日

三月も半ばとは云え、まだ春には遠い気温が続く。 「(昨日は暖かかったんだがな)」 伊藤智孝(いとう ともたか)は公園のベンチに座りながら空を見上げる。重く垂れ込めた雲は今にも降りだしそうな雰囲気を醸(かも)し出していた。…

イメージカラー

「先輩、バレンタインで俺が言ったこと覚えてる?」 この一言で、先輩の顔はみるみる内に赤くなった。 反応から覚えていることが予想できるが、どうしても彼女の口から言わせたくなる。 先輩は俺から視線を外し、躊躇いがちに口を開く…

強引(Ucon’s side)

ドクン、と一つ大きく心臓が跳ねた。 右手首に加わった強い力。 そして、あと数センチで触れてしまうほど縮まった互いの唇の距離。 射抜くような彼の視線にとらわれた私は、瞬きするのも忘れて彼の言葉を聞いた。 「先輩、俺の性別わ…

理性と欲望の天秤

 家の留守を丸一日預かる。  そういったことは、家族と暮らしていてたまに起こることだろう。それは伊藤智孝にも言えたことであり、彼は妹と二人で二日間を過ごすことになった。  しかしこの妹、兄に家事をやらせるどころか、揉め事…

翔太は見た!!

前から思っていたけど、樫倉(かしくら)先輩はとてもオープンな人だ。いつも僕や玖堂(くどう)先輩をからかっては楽しんだりする意地悪な面もあったり、食堂のおばちゃんや上級生のお姉さん方にも可愛がられるナンパ師でもある。 でも…