男性視点

15個のカノジョ

僕たちは二人で一人の作家であり クリエイターであり エンターテイナーだ   僕が目を瞬かせて見つめれば、彼女はまばたき一つせずにじっと見つめる 僕がぼーっと空を見上げれば、彼女はじっくりと現実を見る 僕が小さなことに感動…

僕の初めては113秒。【完】

また電車がせわしなく人を吐き出し、飲み込んだ。 反対に僕はゆっくりと鉄格子をつかみながら膝を落とした。肝心の「では、どうすればいいか?」がわからず、頭に大きなおもりがあるみたいだった。重くのしかかり、苦しい。 ドサリと鞄…

僕の初めては113秒。④

 それから僕は生きることも死ぬこともできなくなった。生きることも死ぬことも怖くなった。  あの男のように飛び降りたとしても、今の僕ではこう言われるだけの価値しかない。 「どこか違う所でやれよ」  一時いっときは話題になる…

僕の初めては113秒。③

 それは強い衝撃だった。  外部から物理的にというよりは、内部がめまぐるしい速さで動いているようだった。  頭に心臓があるのではないかと思うほどの鼓動が激しく高鳴る。緊張で汗をかく。手は微かに震えていた。  人が、死んだ…

僕の初めては113秒。②

 その後男がどうなったのかはわからない。もちろん、ニュースにも載ってない。次の日にもう一度訪れたが、何の変哲もなかった。警察が『立ち入り禁止』の境界線を貼ることもなければ、以前と変わらぬ静けさを保っていた。  もしや、あ…

僕の初めては113秒。

「またしようね」と、赤い唇が動いた。  そして制限時間ギリギリとなった彼女は、そそくさと部屋を出る。その後姿を見て僕は思った。  残念だけど、それはない。  僕の初めては終わってしまったから。   僕の初めては…

天使の階段

 今日も雨が降っている。  憂鬱以外の感情の持ちようが無い僕は傘を開くと学校を後にした。  雨は、嫌いだ。  視線を地面に落とすようにして歩き出す。  そんな僕を擦り抜けて雨の中でも他の生徒達は賑やかな笑い声を振りまいて…

イメージカラー

「先輩、バレンタインで俺が言ったこと覚えてる?」 この一言で、先輩の顔はみるみる内に赤くなった。 反応から覚えていることが予想できるが、どうしても彼女の口から言わせたくなる。 先輩は俺から視線を外し、躊躇いがちに口を開く…

陽だまり

ガチャリ。 コンビニの袋を手にした部屋の持ち主が扉を開くと、中にいる人物に向かって声を掛けた。 「悪い、遅くなった」 返事が無いので怪訝に思い部屋を見渡すと玖堂有羽(くどう ゆば)がベッドの上で横になって寝ている。 待ち…

翔太は見た!!

前から思っていたけど、樫倉(かしくら)先輩はとてもオープンな人だ。いつも僕や玖堂(くどう)先輩をからかっては楽しんだりする意地悪な面もあったり、食堂のおばちゃんや上級生のお姉さん方にも可愛がられるナンパ師でもある。 でも…