なぜ男性は女性が描くライトノベルが苦手なのか?

文章の書き方
モブお
女性の書くノベルってどうしても最後まで読めない。
設定は面白い! と思って読むのに、途中で読めなくなるというか、ついて行けなくなってしまう・・・・・・なぜなんだー!

という男性、結構多いです。
てなわけで、今回は女性作家が書く小説が男性受けしないのか? という理由と、男性でも読めるポイント(男性主人公ではここを押さえるといいよ!)ってな話をします。

 

男性に対しては状況判断できることや事実、理などを書いてあげると楽しめる

答えはズバリ、男性にとって『感情』というものはあやふやで不確かなものでしかないからです。
女性にとっては『絶対・信じられるもの』ですので、ここからもう違うんですよね。

縦社会が成り立ち、体力的にも試練としても非常に厳しい男性社会で生き抜くためには、感情や感覚を鈍くさせる必要があるんです。

怖いから狩り(仕事)はしませんと言っていたら、食べていけなくなります。怖くても相手が強くても、獲物をゲットしないと自分も家族も仲間も死ぬとわかっていたら戦うのが男性です。だから「怖い」という『感覚』を鈍くさせる必要があります。(一例です)

反対に、いかにその獲物をゲットできるか? を考える能力が高いため、状況判断できるもの、どういう立場でどんな行動に出ているのか、結果・事実・因果関係(=理由)などを描くと男性にも想像しやすく、また楽しめるようになります。

 

女性の書く作品・小説(主にライトノベル)が男性にうけないのは、感情の流れでほぼ描かれているから。
つまり、男性にとっての「あやふやなもの(主人公の感情の流れ)」で描かれているので、「なんだこりゃ」ってなっちゃうんですね。
あとは女性の感覚の幅が広すぎて、捉えきれない感情や感覚というものが男性には存在します。

例えば「寒い」に違いがあるとして、その違いを表現する時。

女性は

「寒いってもんじゃないわよ! わかる? エアコンの効きすぎた社内みたいな寒さじゃなくて、-30℃の冷凍庫の中にいるような寒さなの」
と、『感覚』を同じ種類の『感覚』で説明しようとします。
感覚の幅の広い女性同士なら「わかる」となりますが、男性に対しての説明だとしたら相手は困ってしまいます。

男性に伝えるとしたら

「寒いは寒いでも、立っていられない程の強い風が吹いていた。冷気の塊がぶつかってきているようだったよ」
とすると、その寒さの度合いが違うんだなと理解できます。

なので、男性が読みやすい小説を書く時は主人公の性別や書き方をかなり意識しないといけません

 

男性に対しては状況判断できることや事実、理などを書いてあげると楽しめる

ポイントは2つ。

1)男性は少し冷たいというか硬い言葉、女性は柔らかい言葉を使うとそれっぽくなる
男性:頭痛がする、〇〇な男または女、それは強い衝撃だった
女性:頭が痛い、〇〇な男性・男の人または女性・女の人、それはフライパンで思い切り叩かれたようだった

2)男性は事実の描写を多くし、女性は感情を中心に書く
こちらも例文を出します。

『猛暑』を表現

■男性主人公:
うだるような外気の熱に無意識に自動販売機を探した。50m先にあるオアシスを見つけるが、ほとんどの飲料水に『売り切れ』のランプが赤く光っていた。

<解説>
自動販売機といえば一番先に思い浮かべるのが飲料水。つまり、自動販売機を探すということは、喉が渇いて水分をとりたいということ。喉が渇くということは汗をかくような状態であることがわかる。
これだけでも「暑さ」としては表現できているが、ここで「ほとんどの飲料水が売り切れである」ということから、多くの人が同じように水分を欲しがるような暑さであると差別化してみた。

 

女性主人公:
じりじりと水分を含んだ空気が鬱陶しくまとわりついてくる。家を出る前にたっぷりとつけた日焼け止めも、この陽射しじゃきっと効かない。シミになって残ったら嫌だな……そんなことを考えながら歩いた。

<解説>
まず、女性は「自分をかわいくみせたい」という思いが強いことを認識しておかなければならない。(男性──特に好きな人から「かわいい」と言われたいという欲求が強い。自分が特別なんだと思えるから)
なので「美」に関する感情で表現するといい。
この主人公は暑いのが嫌い。そして、紫外線はもっと嫌い。「嫌い」という感情を「別の嫌いと思う対象」で比較するとウケる。

 

『恐怖』を表現

男性主人公:
使われなくなって10年は経っている廃校。もちろんエアコンなんて気の効いたものはない。正確にいうと、作動することはなかった。
しかし建物に入った途端、それまで流れるように出ていた汗が急に止まった。
延々と続きそうな暗く長い廊下に設置されている窓もピッタリと閉ざされ、風が通り抜ける隙間はない。
それでも、そこに滞る空気はヒンヤリと冷たかった。

ガチャン
背後で鍵の閉まる音がした。
一緒にいた女子が悲鳴を上げた。
重い鉄の扉に一番近くにいた友達がそのノブを回す。
1回、2回、3回……。
ガチャガチャと音を鳴らすだけで、扉はびくとも開かなかった。

退路を絶たれた。
その場にいた全員がそれを確認するように互いの顔を見つめる。

「とにかく、ここから出る方法を考えよう。窓が割れるか確かめてみるよ」

そう言って、右側にある教室の中を照らそうと懐中電灯を向けた。

だけど、僕は見たんだ。
その時に廊下に佇んでいた不気味なほどに黒く大きい塊を。

そこからヤツと僕らの戦いが始まった────

<解説>
事実関係や状況で「恐怖」を表現。ちなみに「怖い」という感情は一切書いてない。
対象を正反対のもので比較すると、危険度が増す。危険は恐怖を連想させるので、「怖い」という文字を使わずとも「危険な状態である」ことがわかればそれは恐怖となる。
「エアコンがない、汗が流れ出ていた=暑い」なのに「風も通らずに滞っている空気が冷たい」と比較すると、そんな状況はありえないので不可解なことが起こっている=恐怖と判断できる。
「退路を断たれる」も逃げ場がないという恐怖を表現。

 

女性主人公:
それまでは楽しかった。軽い肝試し感覚で、この暑さを吹き飛ばせればいいなくらいにしか思っていなかった。
友達のカリナと一緒にセミに驚いて叫んでしまい、男子たちにからかわれるのもどことなく嬉しくて。

だけど、使われていない学校の中に入ってから、それはもう遠い思い出となった。

男子たちの間に入るようにしてカリナと手をつなぐ。
そうしていないと、怖くて立っていられなかった。
私達以外には誰もいないはずなのに、闇に包まれた廊下の奥に何かがいるような気がして、ぎゅっとつないでいる手に力を込めた。

怖い……もう帰りたい。
そう思った時だった。

ガチャン! と耳を疑うような音がした。
「きゃー」とカリナが叫ぶ。その声がさらに恐怖を増して、私は体をすくめた。

嘘でしょ? まさか、鍵かけられた?
っていうか、誰に? 私達の他に誰もいないのに。

「ねえ、開かないの?」

ドアを開けようとする男子に、震える声でカリナが尋ねる。
男子は「くそ! 何で開かねーんだよ!」と怒っていた。

やだ……どうするの? どうすればいいの?
こんな所、一秒だって長くいたくない。
私は誰かが何とかしてくれやしないかと皆の顔を見つめた。

そんな中で仮野くんが言う。

「とにかく、ここから出る方法を考えよう。窓が割れるか確かめてみるよ」

そうか。そうだよね。
皆無事で出られるよね。大丈夫、大丈夫。
仮野くんの言葉に安心した私は、彼が照らす先を一緒に見る。

不意に、仮野くんの視線が止まった。

ごくりと唾を飲み込む音が聞こえる。
きっと、彼と私が見たものは同じだ。あの黒くて大きい化け物。

無駄だとはわかっていても思ってしまう。

ああ、こんな所、来なきゃよかった。

<解説>
とにかく女性は感情や感覚の共有をしたいので、「怖い」「どうしよう」「帰りたい」など、マイナスの感情を書き連ねる。
そこで少し前までは「楽しい(プラスの感情)」状態だったことも比較対象とすると、プラスからマイナスへの転落ということで『恐怖』をより感じることができる。
蛇足だが、女性主人公なら「会話文」を多めにしたり、人物の名前を載せると文章が女性っぽくなる。

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こんな感じです。

もう一度ポイントをおさらいすると

男性主人公や男性読者に向けて書く場合は「硬い表現」をし、事実や理由・情景を多く書くことが大事です。