「小説」は再現性のないものだけど、独自性なら誰にも負けない



ここで一つ『再現性』について定義します。
定義っていうと堅苦しいので、こういう意味として考えて話を進めていくよってなことです。
 

●再現性●
「こういうことをしていけば、こんな結果になるよ」という要素ことであったり、可能性の高い方法

すんごく端折はしょりましたが、要はこんな感じですw
 
つまりですね、小説の書き方(文法的なもの)をいくら学んでも、有名な作家さんのプロットの作り方やネタ作りを知ることが出来て、それを真似したとしても「果たして自分の小説が多くの人に読まれるようになるか? いい作品が書けるか?」と問えば、答えは「ならない」です。だから再現性としては、ほぼないんです。
 
まず小説自体が、その人でなければ書けないことであるので、ここでも再現性はありません。
 
ただ、独自性を作る方法であれば再現性はあります
独自性は、小説にとっても必要なことですので、今回は『独自性の作り方』をお話していきます。

 

ポイントは3つ

これから話すことは、私が声優を目指していて最後の養成所に通っていた頃(12年くらい前)が舞台となっています。
授業開始前に、発声・滑舌練習として『外郎売ういろううり』を朗読するんですね。各自自由に。

「拙者 親方と申すは お立会いの内にご存知のおかたもござりましょうが お江戸をたって二十里にじゅうり上方かみがた 相州 小田原 一色町とおすぎなされて・・・・・・」

と、時代劇を思わせるような言葉で、『ういろう』という薬を集まってくれた人たちに売る人の販売用の長台詞です。
『ういろう』にはこんな由来があって、他のものとはここが違って、すごい効能があるんですよ! 皆さんに元気になってもらえること間違いなし! 元気があれば何だってできちゃうよ。今、その効果を試して見せますよ!と、まさに実演販売のストーリーとなっています。
発声と滑舌の練習に使われるくらいなので、3分の2くらいは早口言葉の羅列ですけど。
 
人と違ったことをするのが好き&ただの発声・滑舌練習にするなんてもったいないと思った私は、この外郎売を超腕のいい実演販売の人として役作りをし、日々「ういろう」を売る練習にしていました。テレビの通販番組からスーパーの試食販売の人まで観察したり。
言葉が古すぎて頭にセリフとして入ってこないので、現代語に訳したりしてました。

↓↓↓ちなみに、現代語に訳すとこんな感じです。
私には「親方」と呼んで尊敬する人がいます。その人はまあ、超有名だから皆の中にも知ってる人がいると思うけど、東京から京都に向かって80kmくらい先……「相州」「小田原」「一色町」って地名のいわゆる東海道を進んでいくとね・・・・・・

 
とにかくこの外郎売に『個性』をつけていったんです。独自性ですね。
そのポイントは3つ

  • 人と違うことをする
  • 納得できないことは、その理由さえ知っておけばやらなくてもいい
  • できないことはできるようにするのではなく、考え方ややり方・視点を変える

では、詳しくみていきましょう。
 
 

人と違うことをする

まず、他の人よりも一歩前に抜きん出ることができます。
皆は「ただの滑舌・発声練習」としているので、皆同じ位置にいます。同じことをしているだけ。
滑舌がよくなろうが、発声の筋力がつこうが、そのレベル上げは出来ますが、皆同じところにいます。
ちょっと無理矢理に言ってしまうと、技術はやればやるだけつけられるってだけです。
 
ですので、ある舞台監督さんが「外郎売の前半を芝居にしよう」とお題を出した時は、「よっしゃあああああああ!」と心の中でガッツポーズをとったくらいです。
皆は役作りしていないわけですから、出来ないんですよ。
どういう人物がどういう想いで、どんな状況下で『ういろう』を売ろうかがはっきりとイメージできていません。

結果、私だけ「面白い」と褒められました。

人と違うことをすることで

  • 咄嗟な時でも対処できる
  • 引き出し(キャラ作りやストーリー設定の幅)が増える
  • 注目してもらえるチャンスが増える

といったことが挙げられます。

これだけだとただの自慢で終わってしまいますので、その後のことも。
実はこの後、興味をもってくれた監督は、私に更なるお題を出します。(皆はまず一つ役作りをせよ、とのお題が出されていました)
 
「意識的に『』を作ってみろ」
 
その瞬間、私の頭はパニックを起こしました。監督が私の芝居との違いとして『意識的な間の作り方』を見せてくれたんですけど、もう手汗が止まりません。
だって、私が最も苦手とすることだったので。
 
 

自分が納得できないことは、その理由さえ知っておけばやらなくたっていい

例えば、第一声までに「5秒の間を作る」と言われたとしましょう。「3秒じゃ早い。7秒だと長い」とも付け加えられたとしたら、どうでしょうか?

素直で真面目な人なら、ちゃんと5秒を数えると思います。
でも私は、「なぜその5秒があるのか?」と考えてしまうんです。
その5秒はこれから『ういろう』を売るために、どう必要なのか。それを活かせるために、その後の間をどうやって作っていけばいいのか?

もう、大パニックですよw
そして話を引っ張らずに結果を言います。

「惨敗」

でした。自分でも見ていられない状態であることがわかるくらいで。
 
監督からも「どうした?」と笑われながら言われる始末……(いい監督さんですよ!温かみのある笑いでした)
打ちひしがれながらも「どこで間を作ろうかと考えるあまり、ういろうが売れませんでした」と答えたら、監督はちょっと考えてこんなことを言います。
 
「わかった。お前は、小手先の技術を使おうとすると潰れるタイプなんだな」
  
続けて。
 
「納得できないと、気が削がれて本来の目的を見失っちゃうんだろ? その動揺が表に出るんだよな」
 
そうなんです。
私は表面的にとか、機械的な作業に興味がありません。だったらやらなくていいじゃん、とさえ思います。
自分が納得してないことを相手が納得するかって言ったら、大概しないだろうし、嘘言ってるみたいで嫌です。
 
私は、自分がされて嫌なこと(またはして嫌なこと)はしたくない。したらしたで自信がもてなくなっちゃうんです。
そうなったら悪循環でしかないので、私は「自分が納得できないことはしない(またはできない)」んですよね。
 
 
監督の求めることができないのは、役者としてはあまりいただけません。たとえ、習っている立場だとしても。
それに対し謝る私に、監督はすんごい一言を放ちます。

「別にいいんじゃん? それがお前なんだし、色んな役者はいるよ」

クソカッコいい。
いやー、しびれましたね。
 
それから監督は、違うお題を出します。

「実演販売じゃない役で外郎売をやってみて」
 
 

できないことはできるようにするのではなく、考え方ややり方・視点を変える

こちらも結果から言いますと、

「成功」

でした。
 
技術的なことを得意とする人もいるし(外郎売でいったら、『ういろう』自体はものすごくいいものだし、売れればそれを作ってる人たちも嬉しいわけだし、そこに意味や自分の意志がなくてもいいっていう考えのことです)、私みたいに納得できないことが表に出る(またはそれ自体しない)って人もいる。
 
私の場合は、意識的に『間』を変えるのではなく、『ういろう』を店頭販売するものではなく、何か重大な取引の「切り札」として使うとしたらどうなるだろう? と考えるってことです。
そうしたら……最初の数行だけでも、全く違う『間』の外郎売となりました。
 
監督は、店頭販売の外郎売とは違う役を見てみたかったので「意識的に『間』を作れ」と言いましたが、それだと私にはできなかったというだけで、「別の役作りをしろ」だったらできたわけです。
 
それが、考え方ややり方を変えるってことです。
 
 
私が、「この監督はすごいなー」と思ったこと。

できないからって、それをできるように何度も練習させたのではなく、できることを見つけて(考え方ややり方を変える)それを引き出し、自分も欲しかった結果にした

なんというか、カッケェェぇええええええ!!! とも思ったし、自分もそうなりたいなと思いました。
それって、ちゃんと相手(人)を見てきた証拠なんだろうな、と。

 

まとめ的な

小説にも必要な独自性を高めるには3つのポイントがありました。

  • 人と違うことをする
  • 納得できないことは、その理由さえ知っておけばやらなくてもいい
  • できないことはできるようにするのではなく、考え方ややり方・視点を変える

基礎力は大事ですが、それを磨き上げた先にどんな自分となっているか? を考えて、基礎ができていればいいです。(小説でいったら、「てにをは」がちゃんと出来てるとかそんなレベルです)
それよりも、ストーリー構成でぐっと面白みが増えるのは『人と違うことをする』です。ちょっとした非日常をしてみるのもいいです。
非日常とは、コンビニで飲み物を買った時に心の中でもいいから「ありがとう」と言ってみる、とか、家の周りを一周してから帰る、などです。
いつもならしない、ちょっとしたことです。
これだけでも、結構違います。
 
納得できない理由というのは『こだわり』であり『個性』です。
それをキャラクターなり、ストーリーの軸にすることもできるし、投稿サイトなどで『お題』のある作品を書いた時に、意外な作品や深い作品がかける=印象に残りやすい作品を書くことができます。
 
そして、『できないんだったら、考え方ややり方を変える』です。
物理的なことでも、起きている時と寝ている時では見ている世界が違いますよね。夢の中では、現実世界と時間の流れすら変わります。
できることで再挑戦する・とりかかる方が、自信にもつながるし、楽しいし、とても効率的です。色んな意味で。
 
と、いったところで今回は終わりです。
 
ではでは、アデュ~♪
 
 

●男性のカッコよさを小説にしたのがこちらの連載小説です




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ABOUTこの記事をかいた人

役者スキルを使って男女の恋愛意識の違いを文章で表現。楽しい世の中になるように、文字で男性のカッコよさを伝えることを使命とするインディーズ小説家。男性からも褒められる男脳をもつママブロガーでもある。バナナガールの姿では下ネタしか話さないので注意。