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16.この人は一体何を言ってるの?|有羽

 速い──体の大きさはほぼ成人男性と変わらないくらいなのに、動きは四本足の動物並みに速かった。それが宙を舞う時も鳥と変わらない。
 男の盾となるように空を飛び交うエンジェル。銃を放ったところで、頑丈な骨の鎧を壊すことはできなかった。
 何とかして動きを止めない限り、男に近づくこともできないか……そんなことを考えた時だった。

「格闘技と実戦の大きな違いは何だと思う?」

 不意に智孝から質問を投げかけられた。
 こんな時に冗談を言うような人ではない。兄ちゃんのすることには必ず意味があった。きっとこの質問も大きな意味があるんだ。

「ルールがある?」
「それもあるな。だけど、今回は違う」

 何だろう? 負けたら死ぬとか? でも、『今回は』って言ってた。今の敵を見ろってことかな。

「敵の強みはスピードと羽。武器は……爪? 飛び道具はない」
「お、よくそこに気付いたな」

 感嘆するように言いながら、智孝はエンジェルに向かって銃を放った。

「っていうか、先生、右ばかり狙ってる?」
「──そう。正解は『制限時間がない』ってことだ。つまり」

 執拗に左半身を狙われ撃たれ続けていたエンジェルは、その苛立ちをぶつけるようにして右手を大きく振りかぶり智孝を切り裂こうとする。
 しかし、その爪が当たることはなく、代わりにがら空きとなった腹に深々と刃が食らいついていた。

「相手が攻撃してくるまで待つことができるってことだな」
「そうか。その一点の隙だけをつけばいいんだね。しかも、左に逃げることがわかっていればカウンターにもなる……」
「お前は本当に勘がいいな」

 だってみっちり仕込まれましたから。無防備となったマチカの父親に、オレンジ色の炎を浴びせる智孝に向かってそう軽口を叩く。先程まで自信に満ちていた男は、愕然とした様子を見せた後に意識を閉じた。
 有羽たち同様敵対する存在を鎮めた遼太朗たちは、マチカの傍らに膝をつき朧を取り出そうとしている。
 そんな状況に、有羽は完全に油断していた。
 マチカもその父親も兵器も、眠っているか、その機能を果たしていない。そんな状況に。

 一変したのは、突如右肩に感じた衝撃と痛みだった。
 強めに押された肩から、乳白色の鋭い突起物が数本生えていた。
 ……これは、何?
 状況を把握する間もなく、それは抜かれた。
 そして、直後に走る激痛と流れ出る血液。

「──あああああああっ!!」

 痛い痛い痛い!
 足と右肩に力が全く入らなかった。息がうまく吸えずに、よだれと涙が零れ落ちた。
 体が熱い。痛い。熱い。痛い。気持ち悪い、苦しい。様々な感覚が全身を駆け巡るようだった。同時に体がほのかに光る。
 一体、何が起きたの? パニック状態の有羽の耳に、色んな音が届いた。遼太朗たちが有羽を呼ぶ声、突起物の元への銃声、そして背後から冷たく響く男の声だった。

「1,2,3……すごいな、朧が5つもある」

──この人は、一体何を言っているの?

 

 

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一ツ屋有美子@声優小説家
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