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15.「ねえ、俺たちハメられたんじゃない?」|牙白(ガラ)

 諫美がついに核心をついた。
 何とも言葉に尽くしがたい空気が4人の間を流れる。

「だってもう、情報収集の意味ないじゃん。実物が脱走してるんだし、MARSが先に動いてるならモノだってないだろうしね。つーか、もうこれテストのレベルじゃないよね。色々飛ばし過ぎでしょ」
「……先生がMARSにいた頃のメンバーって、もうほとんどいないんだよね?ってことは、誰がメンバーになっててもわからないってことで……」
「まさか。こういうテストでの合同調査はいつもより慎重に組み立てられるんだ。MARSの中に紛れ込んでたっていうのも、あまり考えられない」

「智がいた頃ならね」と遼太朗が最後に付け足すと、智孝は息と共に言葉を呑み込んだ。

「ううん。MARSの中に、とか依頼自体ってわけじゃなくて……。もし、この依頼を途中で『敵』が知ったとしたらどうかなと思って。私達が出発前に会ったMARSの人達全員、本物だったのかな?」
「それこそまさかな事態だけど、ありえなくはないな。だとしたらこの流天という組織は相当やっかいだね」

 沈黙が訪れた。
 その間も、やはり時は静かに流れていて、窓から見えるざわざわと風に揺られた葉っぱが自分達の心境を表しているようだ。
 そんな中、智孝が口を開く。

「テストは中止だ。流天を調べつつ、撤退しよう。上への報告は俺がするから、遼太朗、各班長に撤退を伝えてくれ」
「了解」

「賢明な判断だと思うよ」そう言ってから、各班長へ連絡をとった。智孝の言う『上』が、以前の仲間であることと、智孝のよき理解者であることもあり、すんなりとその報告を聞きいれた。
 だが、ここでちょっとしたアクシデントが起こる。

「まずいな。1班と連絡がとれない。2班はまだ下にいるみたいだから合流して地下に行ってみよう」

 その問題を伝え、先頭に立ち部屋を出る。
 ──?
 数メートル先の階段に何かがいた。歩みを止めた自分の背中に、有羽は「ぶっ」と声を上げて顔をめり込ませる。

「どうしたの?」
「……本当に女の子がいる」
「えっ!?」

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一ツ屋有美子@声優小説家
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