悪いことは言わない。小説は投稿サイトで公開しよう。その違いをマクドナルドで説明するよ!



「いたたたた……何なのよ、もう」

 そう文句を言うのも間違ってはいないはずだ。
 私がメニューから一番を選んだ途端、目を開けていられないほどの強い光がメニューから放たれ、次の瞬間には1mくらい上から床に体を落とされたのだ。その姿はまるで標本にされたカエルのようで。
 しかし、夢なのに痛いとは、これいかに。むっくりと起き上がる私に、かわいいアイドルキャラのようなトーンで声がかけられた。

唯野音子(ただのおとこ)
いらっしゃいませー

 いやいやいやいや、この状況見て「いらっしゃいませ」はおかしいよね。言うとしたら「大丈夫ですか?」だよね。おかしいよね、どうなってんの? この世界!

音子
あなたは、メニュー1番を選んだのでここに来たんですよ

 まるで心の中を覗けるかのように言ってくる。顔がかわいくても恐怖でしかないわ。
 そこで、私はまじまじと彼女の顔──というか、姿をなめまわすように見つめた。
 とても馴染みのあるその服装は『マックの店員さん』そのものだった。思わず「ハッピーセットのハンバーガー下さい! オモチャは戦隊ヒーローで!」と言ってしまいそうだ。
 そういえば、メニューに『マクドナルドで説明する』って書いてあったっけ。にしては安直すぎる気もするが。

音子
あのー、そろそろ説明してよろしいカ?

 急に片言の日本語を話し出す彼女に顔を歪めながら質問をガン無視する。

「あの人、どこ行ったんですか? あの、うんこカブった変態……じゃなかった、ヤバい人」

音子
あー、あの人はね、この世界を作った女王たちばな うこん様だよ

 

「たちどころに うんこ!? 常軌を逸してるわ!!」

 

音子
うん、字数からして合ってないよね。人の話聞いてないでしょ。それ、どーかと思うんだよねー。人としてありえないわー

 恐ろしく棒読みで彼女の微笑みが悪魔のように見えてきた。ここは夢(のはず)だけど、本能で危険を感じ、とりあえず口を閉ざした。

音子
んじゃー、説明するね。小説サイトを上位表示させたいってことは、多くの人に読んでもらいたいってことでしょ? だったら、投稿サイトで公開しとけ。以上!

「ちょちょちょーい! おかしいでしょ! あなたこそ、人としてどうかと思うよ!」

 

音子
さっきさ、ハッピーセットを注文しそうになったよね? マックの店員さんを見たらハンバーガーが買えるって思ったでしょ? それって、マクドナルド=誰もが知ってる有名なハンバーガー屋さんてイメージが定着してるってことなのね。理解できたDid you understand

……くっ! 流暢な英語でバカにしてるわね、小童こわっぱが!
 でも、彼女の言っていることはわかる。
 大手ブランドとして既に成り立っているところなら、そこへ行けばいい。ハンバーガーが食べたいと思ったら、全国にたくさん店舗があって、気軽に行けるマクドナルドに行くのは簡単に想像できる。

 つまり。
 プロでなくても気軽に小説が読みたいとなれば、既にある大手の小説投稿サイトに行くだろうし、そこで公開しておけば読まれる可能性が高いということだ。

音子
独自ドメインで自分の小説サイトを作るってさ、誰が来るの? ってな場所にポツンと一軒ハンバーガー屋を開くってことと一緒だよね。投稿サイトで公開するのは、マクドナルドみたいに有名でハンバーガーが食べたい人が集まるチェーン店のオーナーになるようなもんだから、まあ、失敗しないというか、そこそこ人は集まってくれるというか

 しかも無料で始められるし、頑張れば出版の可能性も自分のサイトと比べれば圧倒的に高い。
 『自分のサイトで』と思っている私は、ショックでこうべを垂れた。

「でも……投稿サイトで公開して頑張るのが疲れたんだもん」

音子
んー、まあそれは、投稿サイトで公開するデメリットだってあるしねー

 もしや、私の気持ちがわかるのだろうか?
 呆けた顔をして自分の顔を見つめてくる私ににっこりと笑うと、彼女は口を開く。

音子
この続きは次回に話すね!

 伸ばすんかーい! 思わずそうツッコみそうになるのをグッと堪えて、私は次回までこのモヤモヤを引きずったまま時を過ごすのだった。

>>>次回、「自分のサイトを上位表示させたいなら次のことを頭に叩き込め!」に続く!

 




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