「消えてくんない?」──怒りのエチュード



まず、「怒り」を表現したい時に、“怒ろうとしてはいけません”。
なぜか。
人が怒っている時は、怒ろうとして怒っているわけではないからです。

だから、私から言わせてもらえば、「怒りを表現する=怒鳴る」は、感情の開放という点から見れば“まだまだ”です。
怒鳴ればいいってもんじゃない。
もっと、内に秘めた、マグマのようにぐつぐつと煮えたぎっているエネルギーの塊が「怒り」だな、と。

すんげームカつくことがあって、それに“キレている”だけ。
怒ろうとすると、いつもは「どう怒ってたっけ?」と考えてしまい、怒れないことに焦ります。
じゃなくて、自分で表現するなら、一番ムカつくことを思い出せばいいし、役としてなら生い立ちから“なぜキレたのか?”を探って作ればいいわけです。

今回は、声優養成所時代(最も面白くてためになったところ)でやった『感情の開放。怒り編』を音声化しました。
途中にある音声ボタンを押すと、それっぽい『間(ま)』がわかります。

演技をする時に思い出している・考えていることは、そのまま『間(ま)』となりますが、それを小説では『地の文』として表現します。

●感情(怒り)の開放した演技のルール

  1. 怒りを抑え込んでいると(舞台)監督が判断したら止める
  2. 殴り合いのケンカになったら止める
  3. 怒りが消えた・言い合いが延々と続くと判断したら止める
  4. 二人一組になって演じます
  5. どちらともなくぶつかり、先に口を開く役だけ決めます

私の場合は、50代後半の男性とのペアだったので、演技中は『オッサン』と呼び、実際のある『オッサン』に対し、めっちゃキレてました。

※かなりの『怒り』を表現していますので、暴力的な言葉使いが出てきます。

 

●怒りのエチュード(即興劇)

また今日もケンカした。
あのヤロー、『高校生のくせに生意気な口きくな』だと?
B型の女は合わないとか、出生地とかさ。バカじゃないの?
どうしろってんだよ、生まれ変われって? それこそ……

そんなことを考えていたら、肩にかなりの衝撃を受けた。
痛い。
下向いてたからわかんないけど、オッサンみたいな靴だったな。

「おい!」

後ろから聞こえる怒鳴り声。もしかして。

「おい! お前! 今、肩がぶつかっただろ!?」

やっぱり私だ。
大きく息を吸って、そのまま一気に吐き出した。

 

「……何?」
「何じゃないだろ! 何じゃ! 最近の若い奴らは、人にぶつかっておいて謝ることもできないのか?」

また出た。
コイツも同じこと言ってる。
若い奴らはって、そればっかり。

フッと笑いが漏れた。

「何笑ってるんだ」

どいつもこいつも。

……あーもう

「あのさぁ」

マジ、うざい

「若い奴らがどうとかこうとか説教たれてくるオッサン? ホント、マジ嫌いなんだよね」

──ねえ、頼むからさ

「消えてくんない?」

***

この後、相手の男性が引いたのがわかり、そこでエチュードは終了。
(怒りが消えてしまったから)

「殺されるかと思った」と、お褒めの言葉をもらいましたw

 

このように、演技で表現するなら『間』で感情の流れを見せることができるし、小説なら会話文の間に『地の文』を入れることで時間の流れを見せることができます。

感情(同じ怒り)から役作りする方法や、会話文と地の文で作る時間の流れというのも、具体例を出してお見せしたいと思います。

●男性のカッコよさを小説にしたのがこちらの連載小説です




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ABOUTこの記事をかいた人

役者スキルを使って男女の恋愛意識の違いを文章で表現。楽しい世の中になるように、文字で男性のカッコよさを伝えることを使命とするインディーズ小説家。男性からも褒められる男脳をもつママブロガーでもある。バナナガールの姿では下ネタしか話さないので注意。