それから僕は生きることも死ぬこともできなくなった。生きることも死ぬことも怖くなった。
 あの男のように飛び降りたとしても、今の僕ではこう言われるだけの価値しかない。

「どこか違う所でやれよ」

 一時いっときは話題になるかもしれない。同じ学校の奴らも少しは考えるかもしれない。だけど、それだけだ。一瞬で終わる。また日常に戻る。
 親でさえ悲しむかどうかわからない。
 事故があった日、偶然にも次の電車に乗っていた父親は言った。「いい迷惑だ」と。
 それは、こういう意味か?死ぬなら誰にも迷惑をかけずに死ね。
 それとも、こういう意味か?自分とは無関係の場所と時間を選んで死ね。
 どちらにしても、その人は死ぬ。
 どちらにしても、自分はいつものように仕事ができれば問題ないということだ。
 ふざけてる。仕事がそんなもんだと僕に教えるな。学生時代を楽しんでおけなんて言うな。じゃあ何か?学生を過ぎれば楽しくないのか?ただ淡々と作業をこなし、楽しくないことだとわかっていながらそこに時間を費やし、終えるだけの人生を僕に歩めってことなのか。自分と同じように?
 業績が上がらないのか、最近の父親は特に不機嫌だった。夜は酒の匂いがリビングに充満していた。
 なぜ頑張っている父親の努力が報われないのか?不思議に思っていたこともあったが、今ならわかる。
 人の死を何とも思わない奴に、人を感動させることなんてできない。

 何も感じず、何も考えず、自分の意見を押し殺したまま、人の指示と評価を糧に生きる。
 生きる?本当に?これが生きるってことなのか?

 ヒューーーンと風を切る音と一緒になって、足の下を快速列車が駆け抜けていった。
 学校をさぼり、この陸橋から雑踏を見つめるのが僕の日常になった。授業を受ける気はしなかった。
 もちろん、社会に出るためには『それなりの教養』が必要だ。
 だけど、その教養を受けてきた人間が、すぐ側で人が死んでも笑っていた。自分の都合を考えていた。
 自分もそうなるのではないかと思うと、僕は希望も気力も失っていた。

 

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字守-アザナカミ-


彼は残す。その智恵を、勇気を、力を、残す──
彼は言う。『死』は人生の終わりではなく、真価が問われる始まりなのだと。
私はつなぐ。彼の意志を、経験を、その命を──未来の人達へ

人は、自分に足りないものを補い合うために出会い、愛する。そして、必ず別れる──

男女の成長物語を恋愛ファンタジーで綴ります。時には楽しく悲しく甘く、そしてシリアスに。

目次

■第1話 謎の招待状
SCENE1:ざわつく心 / SCENE2:アクシデント / SCENE3:恐怖の始まり / SCENE4:出会い / SCENE5:飛行機ごっこ / SCENE6:記憶、力の暴発

■第2話 魄と朧と鬼と人形リーズ
SCENE7:意外な真実 / SCENE8:準備 / SCENE9:興味 / SCENE10:必要なこと / SCENE11:リーズという存在 / SCENE12:賭け / SCENE13:秘密

■第3話 鬼が消えた日
SCENE14:出発前 / SCENE15:出迎えた者は? / SCENE16:かわいい天使 / SCENE17:未知なる体験 / SCENE18:流天vs字守 / SCENE19:鬼の血

 

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社会にストレスを感じ、それでも懸命に生きる30代男性を応援することを目的とする( ゚∀゚)フフフ 「男性は男らしく生きればモテまくる」をテーマに男性を褒め倒す予定。/戦隊の変身後のヒーローを多く演じていらっしゃる、スーツアクターの浅井宏輔さんが超絶に好きです。愛しかありません!!!めっちゃカッコいい!!!浅井さんを語り出すと、そこら中に唾を飛ばしながら100mダッシュした後の勢いになるので危険。  ●note⇒https://note.mu/ucon_tachibana